1981年に建築基準法が改正され、より耐震性能の高い家を建てることを定める新耐震基準が設けられました。

しかし、1981年以前に建てられた古い建物などは新耐震基準をみたしていないものがまだまだ多くあります。

1981年6月1日に建築基準法が改正され、新耐震基準が定められました。

建築基準法は大地震が起きるたびぬ少しずつ改正されてきましたが、1978年の宮崎県沖地震は特に被害が大きかったため、これを受けて耐震基準が定められえることになったのです。

1981年の建築基準法改正の最も大きな特徴は、建物の中、もしくは周辺にいる人が建物の倒壊に巻き込まれて被害を受けるという状況を改善するような耐震基準が制定されたということです。

具体的にいうと、新しく建物を建てるときは許容応力度計算と保有水平耐力計算が必ず行われなければならないという項目が新耐震基準では定められています。

新耐震基準では、この許容応力度が震度5程度の地震に耐えられる大きさであることが必要だとされています。

つまり、新耐震基準に基づいて建てられた家は、このような大規模地震を受けて損傷があったとしても、倒壊、あるいは崩壊までには至らないということになります。

このように、許容応力度計算と保有水平耐力計算を行うことが新耐震基準の大きなポイントです。

また、2000年に制定された住宅品質確保促進法にもとづき、耐震特級という制度ができました。

耐震特級制度では、新耐震基準を満たしている家の耐震性能に応じて、1から3までの等級が当てられます。

耐震特級1が新耐震基準を満たしていることを示し、耐震特級2は耐震特級1の1.25倍、耐震特級3は1.5倍の耐震性能が備わっていることを示しているのです。

旧耐震基準と新耐震基準の違いは、震度5程度と震度6以上のそれぞれの地震に対する耐震性能に表れています。

まず、震度5程度の地震が起こった場合、旧耐震基準では建物が倒壊、あるいは崩壊しなければよいという基準でした。

それに対して、新耐震基準では震度5程度の地震を受けても建築材の各部が損傷を受けないことが条件と定められています。

また、新耐震基準では震度6～7程度の大規模地震について言及されており、そのレベルの地震を受けても倒壊、あるいは崩壊しないという条件が定められています。

旧耐震基準の建物に住んでいる人は大地震が起こった時に建物の倒壊に巻き込まれてしまう可能性が高いということを意味しています。